俺様紳士の恋愛レッスン
「とおやま、ゆあ、さん……?」

「はい」



女性がニッコリと笑うのを見届けて、どっと押し寄せる安堵感。



「そっか、焦ったぁ……」

「片柳だと思いましたか?」

「へっ!?」



まさかの図星に顔を上げると、やはりにっこりと微笑む女性……優愛さんと目が合った。

全てを悟っているかのようなその表情に、今度はどっと押し寄せる羞恥心。



「十夜くんの彼女さんですか?」

「えぇっ!? いや全然ッ、彼女とかまだ程遠い……!」



そう口走ってから、失態に気付く。



「やっ、今のなし! 全然好きとかじゃないんで!」



なんて、自覚があるほどの真っ赤な顔で言われても、説得力の欠片もない。



「だから先週も慌てていらっしゃったんですね」

「だからっ、あの!」

「十夜くん、口は悪いけど、本当はいい人なんです」



不意に、その表情に憂いが落ちた。

本能で空気の変化を感じた私は、呼吸を止める。



「本当に、優しい人なんです」

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