俺様紳士の恋愛レッスン
「あの、もし宜しければ、お味の感想を頂けると嬉しいのですが……」

「もちろん! 家すぐそこなんでまた来ます!」

「ありがとうございます! えっと……」



言葉を詰まらせた優愛さんを見て、まだ名乗っていなかったことを思い出す。



「すみません、篠宮円華っていいます」

「篠宮さんですね。ありがとうございます。パティシエも喜びます」



優愛さんはふわりと微笑むと、真白のケーキボックスを私に手渡した。



「篠宮さん」



店内の明かりを背にした扉の前。

私よりも幾分か低い角度から、優愛さんは私を見つめる。



「こんなことを申し上げるのは押し付けがましいですし、何様かと思われるかもしれませんが……」



そう前置きをして、躊躇いながらも言葉を落とした。



「十夜くんのことを、どうか宜しくお願いします」

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