俺様紳士の恋愛レッスン
深々と下げられた頭に、摯実なソプラノの声。


……十夜を、宜しく?

一体、何を宜しくすればいいのだろう。



「あの、すみません、迷惑でしたら」

「いや、ていうか……」



そもそも私は、ただのクライアントなのだ。

そのくせ許可なく彼のプライベートに踏み込み、挙句自分は彼氏持ちという、とことん最低なヤツなのだ。



……けれど。



「はい」



どうしてか、そう答えてしまった。

優愛さんは切なげに目尻を落とすと、申し訳なさと嬉しさを半々に滲ませて、もう一度深く頭を下げた。

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