キセキ〜君がいて、あたしがいて〜
運命には逆らえない
いつものように瑞樹は仕事に行く。

いってらっしゃいのキス。
瑞樹は唇を離そうとしない。

「瑞樹…?行かなきゃ」

あたしが言うと名残惜しそうな顔する。

「いってきます」
瑞樹はあたしに微笑んで玄関から出た。

見送った後、あたしはいつものように
家事をする。


夜の9時過ぎ。
そろそろ瑞樹が帰ってくる。
お腹の中の赤ちゃん。
少し早いけど名前を考えなきゃな。
そう思っていた時。

”プルルルル…プルルルル”
携帯が鳴った。ディスプレイは瑞樹。

「もしもし。瑞樹?」
あたしは電話に出る。

「もしもし。警察なんですが…。
大原 瑞樹さんの奥様ですか?」

電話の相手は瑞樹じゃなかった。
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