キセキ〜君がいて、あたしがいて〜
お通夜には瑞樹のクラスの子全員が
来てくれた。
中には泣いている子もいた。

瑞樹は生徒さんにも愛されて
いたんだね。


お葬式は身内だけで行う。
棺桶に花を入れる。
未だに瑞樹が亡くなったなんて
受け入れられない。
瑞樹の頬に触れるけどひんやりしてる。


火葬場に着き、いよいよ瑞樹との最後のお別れ。

いやだ、いやだ、いやだ…!

ほんとに会えなくなると思ったら
いてもたってもいられない。
でもあたしにはどうする事もできない。

1度流れてしまった涙はもう
止められない。

瑞樹の顔を見れるのはこれがほんとに
最後。あたしは瑞樹に話しかける。

「瑞樹…。辛かったよね。あたし、
良い奥さんになれなかった。ごめんね。
ずっと愛してる。これからもずっと。
好きでいて良いよね?赤ちゃんは瑞樹の分まであたしが育てる。
今までほんとにありがとう。
あたしが天国に行ったらまた出会えるよね。その時はよろしくね…」

涙で何を言ってるか分からない。
でもきっと瑞樹には伝わってる。

瑞樹の遺体は静かに燃やされていく…。
あたしはただ呆然と立ちすくんでいた。
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