笑顔の裏側に
洗面器の水を変え、振り返ってリビングを見渡した。

テーブルには、薬の瓶、コップ、空の栄養ドリンクがあったので、洗って片付ける。

いったいいつから栄養ドリンクを飲んでいるのだろう。

私が洗ったものだけで、3本。

キッチンの端にも6本。

それを見ながら唇を噛みしめる。

今日まで栄養ドリンクを飲んでいたなんて知らなかった。

きっと私が来る日はその前に片付けていたのだろう。

今あるものだけ見ても多すぎる。

それはそこまでしないと体が持たなかったということを表していて。

本当にギリギリの状態だったことを否が応でも突きつけられる。

息が詰まったように胸が苦しくて、思わず泣きそうになった。

それでもグッと目に力を入れて堪えた。

泣くのは私じゃない。

お門違いもいいところだ。

洗ったコップに水を入れて、薬の瓶の隣に置いた。

そろそろかなと思い、とりあえず洗面器を寝室のドアの端に置いて、リビングに戻ってコップと薬
の瓶を持って再び寝室に向かった。

ノックをすれば、どうぞという声が聞こえたので、入る。

「この薬でいいんですか?」

「ああ。」

その返事を聞いて、ベットの横の棚の上に、コップと瓶を置いた。

着替えたものを持って、ドアの外にあった洗面器とチェンジする。

洗面器を置き、先ほどと同じような位置に座った。
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