笑顔の裏側に
それから1週間後。

ついに試験当日になった。

受験票と筆記用具を何度も確認し、悠と一緒に受験会場である大学に向かう。

下見をしていたため、迷うことなく着いた。

試験を受ける教室に入ると緊張がピークに達し、広げていた最終確認用のノートも何一つ頭に入ってこない。

周りを見渡せば、みんながギリギリまで必死に勉強していて、余計に焦燥感を煽られた。

一度教室を出て、深呼吸を繰り返す。

ここまできたらもうやるしかない。

今、どんなに足掻いたとしても、結局は今までの努力が物を言うのだ。

周りや雰囲気に惑わされて、自分を見失ってしまってはこれまでの努力が水の泡だ。

今まで私なりに精一杯やってきた。

やれるだけのことはやった。

そう自分に言い聞かせて、会場に戻る。

先ほどとは違って心は落ち着いていた。

そのまますぐに問題用紙と答案用紙が配られた。

配られている間、チラリと悠の方を見れば、自然と目が合う。

お互いに見つめ合って、どちらからともなく頷き合った。

たったそれだけのことで、自然と平常心を取り戻していく。

大丈夫、いける。

直感でそう思った。

開始の合図で、問題用紙をめくり、ざっと問題に目を通す。

そして大きく息を吐き出して、シャーペンを勢いよく滑らせた。

一度集中すると、周りの音なんて気にならなかった。

ただ目の前の問題にひたすら向かっていく。

そうして時間内に全ての問題を解き終わることができ、2日間にも渡る試験は無事終了した。
< 332 / 518 >

この作品をシェア

pagetop