笑顔の裏側に
ベットに戻るかを聞くと、

今日1日中寝ていたため、全然眠くないとのこと。

少しソファーでゆっくりしたいという悠の希望で、テレビをつけた。

そしてブランケットをかけて暖かくした状態にしておく。

私も軽く夕食を済まして、お風呂に入ってくる。

そして後は寝るだけになると、私もソファーに腰を下ろす。

よく刑事ドラマで見る俳優さんが出ていて、どうやら今回も刑事役っぽい。

悠はそれを真剣に見ている。

第1話から見ていない私にとっては全然分からない。

てか悠もこんなドラマ見てたっけ?

CMに入ったところで、気になったことを聞いてみる。

「いや、今日初めて見る。」

そんな答えが返ってきた。

「話分かんないのに面白いの?」

「あーなんか1話完結っぽいから何となく。」

まあ最初から見ていれば、ある程度は分かるのだろう。

その後もぼんやりと見ていたけど、容疑者が出てくるたび、誰?ってなってしまう。

だんだんと瞼が重くなってきて、眠ってしまったことに気づいたのは、起きた時だった。

すっかり悠の肩に寄りかかって眠ってしまっていた。

仮にも病人なのに、何やってるんだろう。

恥ずかしいやら申し訳ないやらで、とりあえず勢いで謝る。

「俺の看病でお前も疲れたんだよ。だから気にすんなって。」

頭を撫でられ、顔を上げる。

「ちょっと体を倒したら、あっさり俺の肩に頭乗っけてきて。いつもあれくらい素直だともっと可愛いのにな。」

「うるさい!」

勢いよく顔を逸らす。

からかわれた上に、可愛いだなんて言われて。

絶対顔が真っ赤だ。
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