笑顔の裏側に
¨ありがとう♡¨

とマジックで書かれていて。

「すいません‥。」

とりあえず謝るしかなかった。

恥ずかしいことこの上ない。

悠の方をチラッと見れば、満面の笑みが返ってきた。

それに真顔で返せば、今度はいたずらな笑みが浮かんだ。

少しだけ悔しいから、席に着いた後、しっかりと写真に収めたことは絶対に悠には教えてあげない。

悠からもらったクッキーはサクサクでとても美味しかった。

予習の片手間、いつもの悠の仕事ぶりを見つめる。

そして閉店した後、着替えている悠を待っている時にマスターに声をかけた。

「先日はご迷惑おかけしました。ありがとうございました。」

「いいや。元気になってよかったよ。」

「はい、ありがとうございます。あの、よかったらみなさんで召し上がって下さい。」

持ってきた手土産を渡す。

駅ナカのお店で買ったフィナンシェだ。

コーヒーにもよく合うと思う。

「そんないいのに。逆に申し訳ないね。」

「いいえ、ほんの気持ちです。いつもお世話になってますから。」

こないだのこともそうだけど、悠だけでなく私までお世話になってる。

閉店後も中で快く待たせてくれて。

本当にありがたい。

「ありがたくいただくよ。」

ちょうど悠が着替えて戻ってきたので、マスターに挨拶して帰った。
< 460 / 518 >

この作品をシェア

pagetop