笑顔の裏側に
「何よ‥。なんであんたなのよ!」

胸倉を掴まれて、体が硬直した。

そのまま無造作に離される。

少しフラついて机にぶつかったけど、そのおかげで倒れずに済んだ。

机に寄りかかるようにして何とか踏ん張った。

今のがいつしかの光景と重なる。

「何もできないくせに‥悠くんのお荷物でしかないくせに‥」

その言葉がいつしかの言葉を連想させる。

ここはカフェで、目の前にいるには越川先輩のはずなのに。

心臓が異様な音を立て、呼吸が浅くなる。

背中に冷や汗が流れて、指先は冷たさを増していく。

「あんたさえいなければ、悠く

「やめて!!」

耳を塞いでしゃがみ込む。

頭の中では聞きたくもない言葉が次々と木霊する。

¨あんたなんか生まなければよかった¨

¨麻生家の恥さらしが¨

¨ほんと出来損ない¨

¨あんたの顔見ると虫唾が走る¨

¨あんたを生んだことが人生最大の失敗¨

「嫌!‥嫌‥‥やめて!」

寒くもないのに私の意に反して体はガタガタ震え出し、視界が歪んでいく。

「何なのよ、急に‥。」

私の様子のおかしさに困惑しているけど、それどころではない。

近づこうとする越川先輩に余計に泣き叫ぶ。

「嫌!来ないで!」

体が自分のものじゃないかのように、動かない。

ただ壊れた機械のように叫び続けるだけ。

「優美!!」

私の叫び声を聞きつけて慌ててやってきたのだろう。
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