笑顔の裏側に
そこには、あの時とは違う文字が刻印されていて。

そのままプレートのあった位置に目を向ければ。

まるで私が見つけるのを待っていたかのように、ひっそりと佇んでいた。

「ばか‥ほんと‥ばか‥」

口では悪態をつきながらも涙は止まらなかった。

何で今になって気づくのよ。

もっと早く気づいていたら‥。

「気づかなかったら‥どうするつもりだったのよ‥」

何でこんなところに。

それがまるで気づいてほしいけど気づいてほしくないとでも言うようで。

「まさか本当に‥」

考えれば考えるほど、頭によぎった可能性が現実味を増していく。

涙を袖口で乱暴に拭った。

泣いてる場合じゃない。

手に取ったそれを元に戻した。

今こそ私が気づいて寄り添わないといけない時だ。

そう思ったら何かに突き動かされるように、私は立ち上がって動き出した。
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