笑顔の裏側に
「先生?」

そっと声を掛けると、びっくりしていた。

「よくなった?」

あまり変わってないが、ここは休んでもらうためにうまくごまかす。

「はい。私、すっかり目が覚めてしまったので、先生は先に休んで下さい。」

「ダメ。眠れなくてもいいから、横になってろ?俺はここにいるから。」

全然引かない。

あっさり承諾して欲しい。

ただでさえだるくて頭が回らないのに。

「横になったら、また気分悪くなりそうなので、先生がここで横になってください。私は向こうに座りますから。」

そう言ってソファーに預けていた身体を起こし、動く。

「もしもまた気持ち悪くなったり、苦しくなったら絶対起こせよ。」

渋々了解してくれたようだ。

私は大丈夫なのに。

先生に移ったら大変だ。

だから絶対に起こさないけど。

すると先生はすぐに寝息を立て始めた。

やっぱり疲れてたんだ。

ごめんね。

そしてありがとう。

そんな思いを込めてタオルケットをちゃんと掛けた。
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