初恋名簿


1人で屋上に走っていき、泣いた。

わたしは、翔太が好き。翔太は、由亜が好き。由亜もきっと、翔太が好き。

、、わたし、邪魔者じゃん。

応援するって決めたのに、こうやっていちいち傷ついて。泣いて。


わたしって弱いな。


そんなことを考えていると、後ろのドアが開いた。

「由夢ちゃん」

、、由亜だ。わたし今、どんな顔してるだろう。

由亜がわたしのが隣に座った。

やっぱり、可愛いな。涙でぐちゃぐちゃのわたしの100倍は確実に可愛いと思う。

翔太が好きになるのも分かる気がする。


「お腹、大丈夫?」

「え?あ、うん。」

いきなり、お腹の心配をされてびっくりした。

「遊園地、由夢ちゃんがいなくて残念だった。でも、正直、ちょっと嬉しかった。」

「え?」

「わたし、翔太くんが好き。」


由亜の言った言葉が、よくわからなかった。働かない頭を必死に回転させた。

ああ、そっか。由亜もやっぱり翔太が好きか。

分かってたことなのに、はっきり分かっちゃうと、やっぱり辛い。


「そっか、、じゃあ、両思いだね!」

必死に笑顔を作って言った。


「わたし、昨日の観覧車の中で告白したの。」

どんどんわたしの笑顔が崩れて、涙がまたで始めた。


「そっか、、っ、付き合ったの、、おめでとうっ、っ」


心にもないおめでとうを何回も言った。


「違うの!由夢ちゃん、聞いて?わたし、振られたよ」


「え!?」


「好きな人がいるからって。」


なんで、、?翔太は由亜が好きだったんじゃないの?


「由夢ちゃんはさ、翔太くんが好きなんだよね。頑張ってね!応援してる!」


由亜はニコッと笑って屋上を出て行ってしまった。

なんで?なんで?なんで?

由亜が、好きだったんでしょ?

もう、わかんない、、




混乱しているなかで、後ろのドアが開く音がした。
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