初恋名簿
佐々木由亜だ。翔太と私を見てにっこり笑ってる。

「あ、ごめん、忘れてた!」

あたふたし始める翔太。
顔・・・真っ赤だよ?

「やべ、やってないや…」

翔太が持ってるのは白紙のプリント。
私、こんな翔太のために、そのプリントやってきたもんね。

「しょーがないなぁ、翔太は。今日、当てられるんじゃない?」

「うわっ!由夢!一生のお願い!見せて!」

顔の前で手を合わせて可愛い顔でお願いしてくる翔太。
これ、小学校の時から毎日。

翔太の一生のお願いなんて何回聞いたか、、


そんな翔太のお願いを聞くのも、私が、翔太に片思いしてるから。
小学校の時から好きなんだよ?
なのに全然気づかない鈍感なやつ。


しょうがない。今日もプリント、見せてやるか。


「しょーがないなぁ、みせて…」

「わたしの写す?」


私は翔太にプリントを渡した、はずだった。

なのに翔太が持っているのはわたしのものではないプリント。

そう、由亜のだ。


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