初恋名簿

「ほんっとにありがと!あとでなんかお礼する!」

「いーえっ。はやく写しちゃいな?」


私の手に残っているプリントをにぎりしめた。
由亜のプリント持って嬉しそうにしちゃって。お礼って、顔真っ赤なお前になにができる。

「あれ?由夢なんか怒ってる?」

「…別に」


ずかずか席に戻っていく私は本当に幼稚だと思う。

だって夜遅くまで翔太のために頑張ったんだよ?字だって読みやすいように丁寧に書いて。翔太がまた、私を頼ると思ったから、、


いつの間にか始まっていた授業は、でてくる涙をこらえるのに必死だった。

< 3 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop