初恋名簿

遊園地



〜翔太side〜


由夢を送った後、佐々木にメールした。

好きでもない男に、いきなり遊園地に誘われるなんて、断わられると思ったのに、、即決。…秒速だった…



でも俺は、佐々木との遊園地より、由夢と遊園地ってことにわくわくしてる。

…小学校の時から大好きな由夢。告ろうともしたけど、あいつ、絶対好きなやついる。

毎日見てるからわかる。

由夢は、佐々木ほど可愛くもないし、勉強も運動もできない。


でも、そこが可愛い。

ちょっと天然で、アホで、ドジで。
あいつは俺がいないとなんもできないんだ。





…なのに、今、佐々木と2人だけで遊園地にいる。



「翔太くん、次何乗る?」

「んー、なんでも。」

「ジェットコースター乗った後だし、観覧車でも乗ろっか。」

「…おぅ」



なんでここに由夢がいない、

佐々木と2人なんて、気まずい、、





佐々木に合わせて乗った観覧車。

前にいる佐々木は外を眺めている。

やっぱり、綺麗。
他の男子が騒ぐのもわかる気がする。




「やっぱり気になる?由夢ちゃん、、」



いきなり話しかけられたことと、ずっと見ていた綺麗な顔がいきなりこっちを向いたことにびっくりして、何も考えられなくなった。


「んー、べつに。」


そう返事をしながら、スマホを手に取る。

開いたのは由夢からのメール。


”お腹痛くて動けない、昨日お腹出して寝たから冷えたんかも笑
遊園地、行けそうにないから、2人で行け!
ごめんね。”



今日の朝、いきなりこのメールがきた。

由夢と遊園地に行けると思って、わくわくしていた俺は、そうとうなショックを受けた。


佐々木と待ち合わせの場所に行く前に、由夢の家に走った。由夢の家は、俺の家の3軒隣。歩いたって1分で着く。


玄関のチャイムを鳴らすと、女の人の声がして、ドアが開いた。


「あ、翔太くんだ。」


出てきたのは、いつも由夢と一緒にいる女子。
小倉、、って名前だっけ。

「由夢は?」

「あー、お腹痛くて、動きたくないって。」

「そっか、」

「なになに?お見舞い?紳士だねー」

「ちげーよ、」


由夢、そんな重症なんか、?

ほんとは家に入りたいけど、小倉に止められた。

「男子禁制!」

って。女子になりてぇ、、
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