君までの距離
遥香からの電話


遥香の家にお泊りして帰宅してから、アタシのパソコンは大活躍だった。



恥ずかしながら初めてファンクラブに入会して、高遠さんのブログを読み漁った。
今、公演中の舞台とドラマの撮影現場の様子が写真付きで見られる。

同じ劇団の仲良しとじゃれあっている写真、美味しそうな差し入れの写真、ビルの上から見えた鮮やかな夕焼け、どれを見ても楽しくて、全然知らなかった彼の生活を覗き見れる好奇心で、ずっとパソコンに張り付いていた。

ちょっと飽きたら、動画を検索して舞台の様子も見た。すぐそこに高遠さんがいて、話して動いていたら、きっと舞い上がる程嬉しい。たとえ二人きりでなくても、同じ場所で同じ時間を共有できるなら幸せだ。



自分がこんなに執着するなんて意外だった。

住む世界が違うから、ムリって言っちゃえば楽だし。それを言わないでいるのは、まわりがわかんないおバカさんなんだろう。

鷹峰さんのファン、わからないなんて言って悪かった。
今のアタシはヘビロテで高遠さん漬けになっている。

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