君までの距離
ぼんやり うっかり

思いきりよく走り出て、狭い路地に入り込み、くねくねと走った。



もうこれで安心。

そう思った時には、自分がどこにいるのかわからなかった。



まだ息が荒い…

よくコケる、と言われたヒールで迷子になるほど走れたものだ……

いや、一回目もさっきも意識してコケた訳じゃないし!




でも、どっと疲れが襲ってきた……

もぉ…どっかに座りたい。



目を上げた先の貼紙が呼んでいる。



『ランチはじめました』

アタシは迷うことなく暖簾を潜った。

< 49 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop