ハートをはんぶんこ。 ~時にすれ違うハートの行方~
そんなときに河村君がバイト先に来たの。
カレの明るさはあたしにとってはすごく救いだった。
一緒に休憩に入ったりしたときはいっぱい話をしてくれた。
すごくすごく楽しくて嫌なことも忘れられた。
いつの間にか河村君のスケジュールも確認して、一緒に働けると嬉しかった。
だっていつもゲンキをくれたから。
でも、なぜかアドレスも携帯も知らないまま。
聞けなかったのか、聞かなかったのか。
河村君からも聞かれなかったし。
でも、楽しかった。

『おねぇ、アイスティー下さい』

って休憩に入るときにあたしに言う河村君。
それに『嫌です(笑)』って答えたあたしに呆気にとられたよ。
でも、そんなやりとりがすごく楽しかった。
『おねぇ、おねぇ』っていつも話しかけてくれる河村君にあたしはホントに救われたの。

こうして2人は出逢った。
出逢うべきときに出逢ったような気がする。
これは偶然?必然?
だって、河村君は同じファミレスの違うお店で募集してなかったからこのお店に来たんだから。
あたしがバイトするこのお店に。
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