チャラ男くんの忠実なる犬
「どうして?」


「んー?何が?」


「どうして助けてくれたの?」


「助けたつもりはないけど、華が泣いてたから。
泣いてる顔は、俺だけが見てたいの。」


意味…わかんない。
だけど少なくとも、救われた気がした。


モヤモヤ抱えてたものが、少し軽くなった。


「ありがとう。」


「俺のペットだから、
世話するのは飼い主の役目なんで。」


見上げた風間欄は、
にっこり笑っていた。



チャラ男の癖に、
何故か優しい。


なんだかんだ、弱ってるとき側にいるよね。


「んじゃ、俺戻るからー。」


「戻る?」


「バイトの途中、買い出し頼まれてさ。
その途中に華を見つけたから。」


「そうだったんだ。
ごめん!」


「あ、華もくるー?」


「え?」


「行くよ。華!」


ぐいっと手を引かれて
つれてかれた。




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