偽りの翼Ⅰ 






―――――――――――






美穂は、俺が突き放したせいで死んだ。



そして、俺は懲りずにまた花恋を突き放した。



根拠も何もないのに。



誰も花恋がいじめているところなんて見てもいないのに。




結果、花恋は変わってしまった。




俺は、人を何回傷つければいいんだろう。



「おーい、透?大丈夫?」



由美香。



ああ、そっか。




少し考え事をしすぎた。



目の前に俺の女がいるのにも関わらず。



他の女のことばかり考えて。



俺は、また人を傷つける気なのか…?



「大丈夫だ。好きだよ、由美香。」







俺は、もう間違えたくなんかない。








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