坂道では自転車を降りて
飯塚を見つけたので聞いてみる。
「これ、何してるんだ?」
「なんか、よくわからないんだけど、彼女のサーブが、誰もとれないんだ。もう連続8得点くらいしてる。」
「へぇー。彼女バレーボールやってたのか。意外だな。」
「いや、バレーをやったことあるようには見えないよ。あれ、でも一度も落としてないような気がするな。サーブも見たところ大したことないのに。」
「何故か、誰もとれないのか。」
「なんなんだろう?」
「さあ、、不思議な子だよな。。」
「だろっ。なんか、あの雰囲気と意外性が、いいよな。」

 俺と飯塚が話している間に、ようやくレシーブがつながり相手チームが得点した。その後は押され気味だったが、なんとか逃げ切り、6組は3位となった。
 決勝は午後に残し、次は男子バスケットボールの1回戦だ。コートを片付けている横で、飯塚とウォーミングアップをする。

「なあ、フリーなんだって?」
「何が?」
「彼女。大野多恵。」
「だと思うよ。」
「俺が立候補したっていいよな?」
「別に問題ないと思うけど。でも、彼女は田崎に興味があるみたいだったよ。」
「田崎か。でも、まだなんでもないんだろう?」
「多分ね。」
「お前に協力しろなんて言わないさ。その代わり、邪魔するなよ。」
「邪魔なんて、する理由がないし。。」
そういえば田崎とはどうなったんだろう。
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