坂道では自転車を降りて
「ばっ。。お前に関係ないだろ。」
さすがの鈴木先輩も恥ずかしさのあまり真っ赤になって怒り始めた。
「関係なくないっ。」
言うと、清水先輩はいきなり鈴木先輩の胸元を掴み、引き寄せたかと思うと、唇を重ねた。ように見えた。。
「きゃーっ。」「うわーっ。」
あちこちで悲鳴が上がる。俺も自分の目玉が飛び出て落ちるかと思った。
「もう多恵にちょっかい出さないで。」
「。。。。わかった。」

 さっきの怒りは一瞬で霧散し、鈴木先輩の思考回路がショートしているのは明らかだった。清水先輩の剣幕に押されて答えはしたが、何が分かったんだろう?多分、何も分かっていない。俺にだって何がなんだか分からない。
 清水先輩は、周囲ににこやかに微笑むと、大野多恵に近づき、頭をなでた。大野さんも訳が分からず、きょとんとしている。
「これでもう安心ね。」
清水先輩はそう言い残すと一緒にいたらしい友人を誘い、軽やかに去って行った。

「今の、何だったの?」
 鈴木先輩が赤い顔で口を手で塞ぎ、回りの友達に聞いている。友人達は鈴木先輩をからかい始めたが、他はみな一様に呆然としていて訳が分からない様子だった。

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