坂道では自転車を降りて
気持ちは分からないでもないが、彼女にしてみれば、そりゃあびっくりしただろう。椎名だけならともかく、一度に4人だ。
「大野先輩、スミマセン。でも、頼まれてたヤツ、良いのが撮れましたよ。」
そのまま俺の隣に立っていた織田はカメラを操作して、彼女に見せた。俺の後ろに隠れていた彼女は手渡されたカメラの画像を見ると、急に態度を変えた。織田はよく首からカメラをぶら下げていて、舞台や打ち上げの様子を撮って、部の宣伝用のHPにUPしていた。それに、こいつに言えば大抵の女子の写真が手に入るという噂だった。
「うそ。何これ。カッコいい。」
顔を真っ赤にして画面を見ている。
「ええ、格好良く撮れたでしょ?ちょっとシルエットで顔が分かりにくいけど、そこが良いでしょ?」
「ううん。顎のラインとかよく解るし、すごいカッコいい。これいつ?あ、もしかしてこれ私?やだ。うそ。こんなの。恥ずかしい。っていうか、エロい。」
昨日の写真か?でもエロくてカッコいいって、何が?
「昨日です。3枚連続で見るとさらにエロいですよ。欲しいでしょ?」
「あ、本当だ。3枚連続だ。こんなのどうやって撮ったの?やだ、欲しい。」
カメラの画像を見ながら、織田ににじり寄る。
「だったら、契約成立で良いですか?」
「あー。。あー。。どうしよう。。でも、やっぱり欲しい。ちょうだい。」
彼女が欲しがるエロくてカッコいい写真って、どんな写真なんだ?驚いて見ていると、織田は俺をみてにやりと笑い、小声で耳打ちした。
「神井先輩にもいいのありますよ。後で。」
織田は彼女の方をちらりと見た。彼女にバレるとまずい画像を見せるという意味だろう。