坂道では自転車を降りて

「ようお疲れ。」
「大野さん、どう?」
「寝ちゃったわ。」
「もうすぐお開きだよね。」
「うん。私、多恵が起きるまで一緒にいて、送るわ。」

 清水先輩は眠っている大野さんの髪を弄ったり、指先で頬に触れたりして、今にもほおずりしそうな勢いだ。そういえば、清水先輩は宝塚ファンだ。まさか、レズじゃないだろうな。2人の女子の倒錯の図を間近に見て、関係ない俺がドキドキしてきた。大野さんはまだ起きる気配がない。二人で帰して本当に大丈夫なのか心配になってきた俺は川村に耳打ちした。

「清水先輩は、大丈夫なの?」
「どういう意味?」
「清水先輩が彼女を襲ったりしないかってこと。」
「襲うって、何するの?」
「その、連れ帰って、唇奪ったり、身体にいたずら、って、何言わせるんだよっ。」

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