幸せの行方

千佳の目が覚めたのは、
病院に運ばれてから、
三日目だった。

俺と親父は、

「「千佳っ、千佳っ、わかるか?」」と

千佳は、えっ、お父さん?
と、思うが声が出ない。

信也は、すぐに先生を呼んで
少し、唇を湿らせてくれたから、
千佳は、話せた。

千佳は、
「どうして、お父さんが?」
と、言うから、信也は、今までの
経緯を話した。

千佳は、
「三日も‥‥と。
ごめんなさい。ただ‥‥‥
眠りたかっただけなの。
効かないと思い、次々に
飲んだから‥‥
心配かけて、本当にごめんなさい。」
と、言った。

夕方になると、
また、会社の人達も来てくれて
喜んだり、涙をながしたり、賑やかだった。
お兄さん達もきて、泣いて喜んでくれた。

千佳は、胸が、いっぱいになっていた。

ありがとう、ありがとう。
と、何度もお礼を言っていた。


皆が、帰った後
父から、
「千佳、千佳さえ良ければ、お父さんと
マンハッタンにいかないか。
お父さんは、少しの間でも、
千佳と一緒に暮らしたい。
考えて欲しい。」
と、言われた。

千佳は、
「わかった。考えてみるね。」
と、答えた。

お父さんは、
今マンハッタンで勤務をしている。
移動もこれで、最後じゃないかと。

今夜、兄は、自分の家に戻った。
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