ステップ
無頓着

転校生

中学3年生、1学期。
こんな時期に転入生なんてくるもんなの?
受験の年だよ?
馬鹿じゃないの?
受験の年なのに恋とか言ってる女子。
馬鹿じゃないの?


「はじめまして。オオウラタイガです、これからよろしくお願いします。」
それだけ言って転入生は頭を軽く下げた。

「え~っと、席は~~・・あいつの隣!」
先生が私を指さす、

私の隣は空席。
転入生が来るから空席だったんだ・・・。

転入生のオオウラタイガは私の横の席にドカッっと座った。
そして私の方を見て
「オオウラタイガです、これからよろしく」
とさっきと同じ言葉を言った。

「よろしく。」
それだけ言って前を向くと、

「え~~?なんでそれだけなの~?」
と中学3年の声とは思えないほど子供っぽい声で言った。

「え?」
私は驚いてオオウラタイガを見た。

「名前は?俺が言ったんだからそっちも言ってよぉ~」
「え・?ニノミヤだけど」
「下の名前は~?あ!もしかして苗字がニノで名前がミヤさん?」
「チカ!ニノミヤチカです。よろしく!」
私が苛々して言うと
「ありゃりゃ。怒っちった?ごめんごめん
けどもうちょっと愛想よくしようよぉ~!女の子なんだから」

私は何も言わずに前を見た。
あんなの相手にしても意味がない。
私のレベルが下がるだけ。

「あーらま。ほんとに怒っちゃったね。ごめんね~」

私が睨むと
「すいませんすいません。もう何も言いません~」

と言って鼻歌を歌いだした。


こんな転入生迷惑なのに来なかったいいんだよ!
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