絶対主従関係。-俺様なアイツ-
 もしかして、ドロボー!?


 こんな大きな屋敷だもの、カーテン一つでも高く売れそうな気がしてくる。

まさか使用人一日目に、こんな任務が待っているとは思わなかった。


 着替えの途中だ何てことも忘れて、部屋に飾られていた一枚の額縁をそっと手にとる。

心臓はバクバクと爆音を音を鳴らしているけど、これでヒいたらオンナが廃る!


 手を震わせながら、ゆっくりと音がする窓に近づいた。


 カツン、カツンという音はすでにガチガチと、力づくであけようとする音に変わっていた。

鼓動が次第に早まり、落ち着けるかのように生唾を飲み込んだときだった。


 ガチャン!と、とうとう窓が開かれてしまった。

あたしは目をつぶって思い切り額縁を振り上げた。


「こ、このっ、ドロボー!!」

「うわ…っ」

 驚く男の声がしたと思ったら、運悪く、僅かに早く手首を掴まれてしまった。


「は、離せ……っ!」

「こら、暴れるなっ!」


 必死に振り払おうともがくけど、男の力になんて勝てるわけがない。

次第にその強すぎる力にやり込められてしまう。


 どうしよう…っ!犯される!

今までの思い出が走馬灯のように頭の中を駆けはじめ、なんとか足も蹴り上げるように何度か試みる。


「…ゃ……いやぁあ…っ!」

 がむしゃらに体を動かしていると、「うわっ」と男の声がして、そのままもつれるように後ろに倒れてしまう。


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