秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜




周りにいる奴の弁当は皆、母親が作ってくれた物で、豪華な弁当よりも数倍、他の奴らの弁当のが美味しそうだった。


いつもお前の弁当って豪華で羨ましいと言われたが、俺は逆に皆が羨ましかった。


だから余計にサツキが作ってくれた弁当が嬉しかった。


俺もサツキと随分、距離をあけちまったが学校へと向かい、着くと教室に入った。


学校に着くといつものようにクールを演じ、人とはなるべく関わらないようにしている。


眼鏡だって伊達メガネだし、制服もちゃんと着ていて真面目な振りをしている。


だから雑用なんかはいつも俺にセンコーは頼んできやがる。


だけどそれも慣れたもんだ。


授業が始まり、先週にあったテストが返ってきたがいつものように百点だった。


周りの奴らもいつも百点を取る俺を最初は驚いたりしていたが、今では当たり前になって驚いたりはされない。


時間は過ぎて昼休みになると俺は弁当を持って生徒会室に向った。


ここは誰も来ないし、一人で楽だ。


サツキが作ってくれた弁当を開けると、俺が普段は絶対に食べないような物ばかりで、小学生の時に羨ましかった他の奴らの弁当と同じだった。


俺は先に卵焼きを箸で取り一口食べた。


甘くて優しい味がした。


皆の弁当には卵焼きが入ってて、たまに少し焦げてたりしたが美味しそうに食べていた。


今は皆が美味しそうに食べていた理由がわかる。


俺は綺麗に食べ終わるとサツキにラインを送った。






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