嘘とワンダーランド

京やんが甘いものが大好物だと言うのはわかるけれど…てっきり、わたしはホテルの中にあるフレンチ料理のフルコースをおごらされるんじゃないかと思っていた。

「その質問、色気がねーにも程があるぞ」

京やんが言ったので、
「ハイハイ、スミマセンデシタ」

わたしは何クソと言うように言い返した後、牛丼を口に入れた。

「だから圭介につきあいが悪いって言われるんだよ。

圭介から聞いたぞ？

最近若菜がつきあいが悪いって」

そう言った京やんに、
「ブッ！」

わたしは思わず吹き出した。

「汚いなあ」

京やんはやれやれと息を吐いた後、紙ナプキンをわたしに渡した。

友達だからわたしのことを聞いているのは当然なのかも知れないけれど、こんな時に言うものかよ…。