嘘とワンダーランド
渡された紙ナプキンを受け取ると、汚れてしまった口元をふいた。
「デートに誘っても、仕事が忙しいとか家の用事があるとか何とか言って断ってるんだって?
この前なんてお兄ちゃんが泊まりにきてるからって言って、圭介が家にくることを断ったそうじゃんか」
京やんが言った。
圭介のヤツ、ベラベラベラベラと京やんにしゃべるだけじゃべりやがって…。
友達だから当然のことかも知れないけれど、しゃべっていいことと悪いことがあるぞ。
確かにつきあいが悪くなったと言えば悪くなったが、それはわたしが課長と結婚をした訳で…と言いたいところだけど、その課長から秘密にするようにしていることを思い出した。
「そもそも、若菜にお兄ちゃんなんていないだろ?
お姉ちゃんがいることは前から聞いてたけど、いつお兄ちゃんなんてできたんだよ」
怪しいと言うように視線を向けてきた京やんに、
「お姉ちゃんの彼氏が泊まりにきてるって言う意味で言ったの!」
大きな声で言い返したので、何事かと言うようにその場の視線がわたしたちに向けられた。
「デートに誘っても、仕事が忙しいとか家の用事があるとか何とか言って断ってるんだって?
この前なんてお兄ちゃんが泊まりにきてるからって言って、圭介が家にくることを断ったそうじゃんか」
京やんが言った。
圭介のヤツ、ベラベラベラベラと京やんにしゃべるだけじゃべりやがって…。
友達だから当然のことかも知れないけれど、しゃべっていいことと悪いことがあるぞ。
確かにつきあいが悪くなったと言えば悪くなったが、それはわたしが課長と結婚をした訳で…と言いたいところだけど、その課長から秘密にするようにしていることを思い出した。
「そもそも、若菜にお兄ちゃんなんていないだろ?
お姉ちゃんがいることは前から聞いてたけど、いつお兄ちゃんなんてできたんだよ」
怪しいと言うように視線を向けてきた京やんに、
「お姉ちゃんの彼氏が泊まりにきてるって言う意味で言ったの!」
大きな声で言い返したので、何事かと言うようにその場の視線がわたしたちに向けられた。