GOLD BOY〜不良彼氏〜



バイクを止めた駐車場は、駅前のファミレスの駐車場。



ファミレスの中に入ると、店員は、いきなり金髪や茶髪の不良丸出しの高校生が入ってきたことで


おどおどしていて、いつ倒れちゃうか心配してたけど、何とか席に座ることが出来た。



それから適当に料理を頼んで、結局支払いの時には葵が全額の半分を全て出してくれた。



『女に出させるほど金欠じゃねぇよ』とか何とかかっこつけたセリフを葵は呟いた。



ファミレスを出ると悪友の一人が解散と言ったのが合図で、それぞれバラバラにバイクを走らせた。



中学が一緒のゆずと菊哉と悪友たちは同じ方向にバイクを走らせて、

葵の運転するバイクだけが逆方向に走り出した。




「ねえ、」

「ん?」

「昔から皆で仲良かったの?」

「ん?何?聞こえねぇ」




バイクを走らせてる間は、車の走る音と対向車線の車とすれ違う音で、私の声はかき消された。



がっしり落ちないように葵の腰を掴む私の腕の力が、より強くなった。



何か、急に寂しくなった。

みんな中学が一緒で、私の知らない頃からみんなで仲良かったのかなって考えると。

私だけ一人ぼっちなような気がした。



いくら葵から中学時代の話を聞かされたとしても、



私の知らない葵を、昔の葵と関わっているみんなを羨ましく思ってしまう。



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