GOLD BOY〜不良彼氏〜
菊哉もゆずを後ろに乗せてバイクを走らせ、悪友たちは後ろから付いて来ていた。
これじゃあ、見た目からして暴走族にしか見えない。
隣の車の助席からは、小学生らしき女の子が目をまん丸くしながらこっちを見ていた。
しばらくして赤信号が青信号になると、一斉に大きな音を出しながらバイクが走り出した。
どこに向かってるんだろうと思ったけど、
さっきの賭けの流れからして夜ご飯を食べる場所に向かってるんだと、
隣を走ってる菊哉と葵の会話で分かった。
「どこ行く?」
「駅前のとこでよくね?」
「おお、そうしよ」
「つか、全額じゃねぇだろ?」
「当たり前だろ。全額っつったらやべぇ金額いくしな」
「じゃあ半分な」
「よろしく」
ペラペラと話しながら、ちゃんと安全運転してる葵は本当にバイクの運転が上手い。
菊哉のバイクにも乗せてもらったことが一度あるけど、葵の方が乗りやすかった。
菊哉のは、良くも悪くもなく普通だったのを覚えてる。
それより、二人が話してた金額って何のことだろう。
全額だとやばい金額になるって、どういう意味?
訳の分からない話を、バイクを走らせてる間ずっと二人はしてた。
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