GOLD BOY〜不良彼氏〜



「俺のは中型。紅のやつバイク好きで、勝手に俺の持ってくこと多いんだよ」



葵は軽く溜め息をついた。



それから物置らしきところから、黒とピンクのヘルメットを2つ出してきた。



私にピンクのヘルメットを渡すと、葵は一回り大きいバイクにエンジンをかけ始めた。



「ねぇ、じゃあ勝手にお兄ちゃんのバイク使っちゃっていいの?」



あの怖そうなお兄さんに断りなくバイクを使うんじゃないかと、心配になってきた。



でも、案外葵はしっかりしてて。



「さっき断っといた」



バイクに跨りながら、ふっと軽く笑ってそう言った。



バイクに跨る葵の後ろに乗って、ピンクのヘルメットを被ると葵のお腹に腕を回した。



丁度、その時だった。



「なあ、お前誘ってんの?」



バイクを走らせようとしてた葵は走らせるのを一旦止め、


ヘルメットを脱がないで私の方を見てきた。



「誘ってるって?」


「思いっきり胸が当たってんの」


「…なっ…」



な、な、何よそれっ!



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