GOLD BOY〜不良彼氏〜
ガタンと音がしたと思って振り返ったら、葵が椅子から立ち上がっていた。
………な、何?
勝手に私が帰ろうとしてるから怒ってるのかと心配になった私は、
振り返ったままその場から動くことが出来ずに立ちすくんでいた。
「じゃあ俺も帰るわ」
すると、葵がそう言って私の方に歩いてくるからビックリした。
「いやいや、葵いなきゃ意味ないでしょ」
舞子さん1人置いて来ちゃってどうするのよ。
っていうか、葵が私がいて話しにくそうな顔するから私が帰ろうとしてんでしょうが。
葵も一緒に帰っちゃったら意味ないじゃん。
………そんな私の考えも虚しく。
「もう話終わったじゃん」
…なんて、言い出す葵。
え!?もう話終わったの!?
あの30分だけで彼氏の相談終わったの!?
え?!あれだけ?!ほんとにあれだけで終わったの!?
………ま、ま、ま、マジで?
「だから帰ろうぜ」
葵は舞子さんが1人座ってるテーブルの上に、『飲み物代』と言ってお金を置いた。
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