GOLD BOY〜不良彼氏〜
私が康介さんにそう言うと、康介さんは苛立ってか再びテーブルを蹴り上げた。
その時だった。
いちばん助けに来てほしい人が助けに来てくれたのは。
何人かの男の声と同時に倉庫の壁に何かが当たる音がして、中にいる私にはその音が響き渡った。
そして開かれた倉庫に1つだけある大きな扉。
「てめぇ!ふざけんじゃねぇぞコラ!」
そこから飛び出してきたのは葵で、私の目からは無意識に大粒の涙がこぼれ落ちた。
葵は康介さん目掛けて全力疾走してきて、葵が康介さんの顔を殴ろうとしたら、
康介さんはそれを難なく避けた。
そして葵のお腹を思いっきり殴って、葵は『うっ…』って苦しそうに声を上げた。
そんな葵を見てるのが辛くて、殴り合いになりそうな2人から視線を逸らした。
でも、まさかホントに葵が来てくれるなんて。
そう思うだけで、また嬉しすぎて涙が出てきた。
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