GOLD BOY〜不良彼氏〜
私いつもそうだった。
自然に涙流れてくるの。
悲しいときに静かに涙溢れてくるの。
寂しいときに静かに涙溢れてくるの。
「……な、泣いてんのか?」
上半身だけ起こして、私がさっき渡した血だらけのタオルで膝の擦り傷を押さえる菊哉。
その菊哉が私の顔を覗き込んで、そう言った。
ヤバい、いつの間にか泣いてた。
変に考えるんじゃなかった。
人の前では泣きたくなかったのに。
菊哉にバレたら絶対に馬鹿にされるに決まってる……………って、そう思ってたのに。
「何か……されたのか?」
菊哉のくせに優しい言葉をかけてくるから、安心しちゃってまた涙が溢れ出した。
「……だ、大丈夫かよ?」
「……うっ…」
「康介さんに……何かされたのか?」
「……ううっ…」
泣いてるところを見られたくなくて手のひらで目を隠してみたけど、声が出ちゃって泣いてるのがバレバレ。
そんな私に菊哉は気を遣ってか、そっと私の背中に手を置いて、優しくさすってくれた。
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