GOLD BOY〜不良彼氏〜
「菊哉てめぇ泣かせてんじゃねぇぞ」
葵のその低い声に菊哉は肩をビクッと震わせて、
葵に聞こえない大きさの声で『聞いてんのかよ』ってぶつくさ言ってた。
それから私の涙は一向に止まることはなく逆に菊哉が優しくするから、涙が更に溢れ出た。
すると私が声を出して泣くから、そのたびに葵が菊哉にキレて、菊哉の肩がビクって震えた。
そんなこんなで私の涙が止まったのは、慎悟くんのある一言だった。
「そろそろここ出て行かねぇと、康介さんたち来るぞ」
その一言を聞いて、いっきに場の空気と、葵と菊哉の雰囲気もいっきに強張った。
葵に『来て』って言われて葵のそばに行ってみると、『この人に電話して』って携帯渡された。
渡された葵の携帯の画面は今電話帳が開かれてて【大和さん】の電話にもう発信してた。
「も、もしもし」
《葵てめぇ久しぶりじゃねぇかよ》
当然大和さんは葵の電話から電話があったんだから、電話してきた相手を葵だって思ってて、
30秒くらい、葵を相手に私に不良独特の口調でしゃべってた。
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