GOLD BOY〜不良彼氏〜



突然、被ってた掛け布団から顔を出した私に、心配そうな視線を送ってくる葵。



あぁ………私って馬鹿なのかもしれない。



葵はいつだって私のことを考えててくれたのに、私は葵に欲張ってばっかり。




「薬、飲むか?」




優しい声の葵に涙が出てきそうになったから、必死で涙が出るのを止めた。



涙を止めようとしてるとき、無意識大好きになってしまった私は、無意識に葵をジッと見てた。




「なんだよ?薬飲むんだったら買いに行かなきゃいけねぇし。目で話されても困る」




そんな私に少し困惑した顔の葵がそう言う。



こういう普通のやり取りがなんだか嬉しい。

今まで数え切れないほどしてきたやり取りなのに。

なんだか知らないけど、とにかく嬉しい。

顔が自然とほころぶ。



さっきまでの、葵にムカついてた私はもういない。

今の私には【一喜一憂】って言葉が1番合ってると思う。



葵の一言で嬉しくなって。

葵の一言で悲しくなって。

葵の一言でムカついて。



葵の一言一言で、私は今一喜一憂してる。



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