GOLD BOY〜不良彼氏〜



「……痛い」



葵の心配そうな声を聞いて、勝手に拗ねてた私が馬鹿みたいに思えた。



だから、壁側に向けてた体を葵の方に向けて、掛け布団を顔まで被った。



葵に不意打ちをつかれて、拗ねて膨らんた頬は自然と元に戻って、顔が熱を持ち始めたのが分かった。



掛け布団を被って葵に見られないのを良いことに、赤くなる顔のままニヤケてた。




「今日休みだから、ゆっくり休んでろ」




掛け布団越しに、葵の優しい声が聞こえた。



それと同時に、葵の腕が私の上を通ってる気配がして、その腕は壁についてる棚にたどり着いたらしい。



壁につけられてる小さい棚は小物を数個しか置けない小さな棚で。


葵はいつもその棚の上に自分の煙草とライターを置いてる。


ベッドの横に置いてあるサイドテーブルには、ファンタなどの飲み物が置いてある。



小さい棚から煙草とライターを手に取った葵は、ライターで煙草に火をつけた。



見えなくても気配でそうしてるって分かった。


ライターの火をつけるカチっていう音も聞こえた。



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