GOLD BOY〜不良彼氏〜
不覚にも大声を出してしまった私のせいで、菊哉も私も天沢先生に見つかって、会議室に連れていかれた。
何度か来たことのある会議室の中に入ると、長い机の向こう側に座ってる葵を見つけた。
葵は菊哉に、私を逃がすように言ったのに私が会議室に入ってきたから、葵は菊哉をキツく睨んだ。
そんな葵のキツい視線から逃げるように、菊哉は葵から一番遠い席に座った。
だから私も不機嫌な葵に近寄りがたくて、菊哉の隣の席に座ろうとしたら……。
「美鈴」
葵に低い声でそう呼ばれて、目で『こっち来い』って言われてるような気がしたから、葵の隣の席に座った。
しばらくすると天沢先生も入ってきて、ついにお説教が始まるんだと覚悟を決めた。
今まで遅刻したり、サボったりしてお説教されることは多々あったけど。
退学に関わるお説教なんて。
人生に関わるお説教なんて。
したことないんだけど!
てかビビってるんだけど!
やっぱり高校だけでもいいから高校は卒業したかったのに。
中学最後の1年は死ぬほど勉強して何も遊ばなかったのに。
退学するなんて考えたこともなかったのに。
これから大学受験のために一生懸命勉強しなきゃいけないっていうのに……っ!
でも謝っておけば退学は許してくれるかもしれない!
「もう二度と城田を巻き込むんじゃねぇぞ。自分の女くらい自分で守れ。いいな」
「ごめんなさい!ケンカしないように言い聞かせるから!あたしも関わらないようにするから!だから許し…………って、え?」
「ん?どうした?何で城田が謝ってるんだ?」
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