GOLD BOY〜不良彼氏〜



「あっ!葵!」


「久しぶりだな」



私の隣にいる葵に気づいた玲香は、私から離れて葵の手を握った。



お母さんとお父さんも家に上がってきて、割れてるカップが床にまだあることに私は気づいた。



でももう今さら片付けたところでどうにかなるってもんじゃないし、もうカップは諦めることにした。



「お久しぶりです」



お母さんとお父さんに向かって礼儀正しく葵は頭を下げて、お父さんが『久しぶりだな』と言うと頭を上げた。



「ちょっと、またかっこよくなったんじゃないの?」



真面目な雰囲気のお父さんと葵とは反対に、


いつもと変わらない雰囲気のお母さんは、いつもと同じ声のトーンでそう言った。



「そんなことないですよ」


「いや。どう見てもかっこよくなったよ。てか、あんた芸能人になったら?」



面食いなお母さんは葵に会うと『またかっこよくなったんじゃないの?』って必ず言う。



そして、そのあとは『芸能人になったら?』って必ず葵の将来を決めようとすり。



その返答に困ってる葵もいつものことで、けど今回の葵は今までの経験で乗り切る方法を学んだのか…。



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