GOLD BOY〜不良彼氏〜



九州に一緒に付いていかなかったのは、地元の友達と離れちゃうのが嫌だったっていう理由がほとんど。



だけど、少しお母さんとお父さんと距離を置きたいって理由も少しあった。



もしかしたら、自分は望まれて産まれてきたわけじゃないのかもしれないって勘違いしてたあの頃。


距離を置くために、一緒に付いていかずに地元に残ったあの頃。


お母さんとお父さんの大切な時間をムダにさせてしまったと、罪悪感を感じていたあの頃。



何で自分は産まれてきたんだろうと毎日考えていたあの頃でさえも…………私は2人が大好きだった。



「大好きに決まってる」



胸を張ってそう言った私に、お母さんは柔らかい笑顔で『2人を?』って聞いてきた。



「うん。嫌いなんて思ったこと、今までで一度もない」



話題が突然変わってついていけなかった、さっきまでの私はどこにいったのか。



言いたいことが山ほどあって、あたしは口が止まらなかった。



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