GOLD BOY〜不良彼氏〜
外を出て、無理矢理自転車に葵を乗せて葵の家に向かってる間中
葵はずっと1人で文句を言ってた。
私はその文句を聞かないふりして自分の携帯の音楽を聴いていた。
葵の家に着いても葵はまだ文句を言ってたため、私は1人でテレビゲームを始めた。
「おい、聞いてんのかよ」
「え?何が?」
丁度ゲームで盛り上がってる最中にテレビの電源が葵の手によって切られてしまった。
なっ!せっかく勝てそうだったのに!
「何で切るのよー!」
「彼氏無視して、話聞きたいとか言って聞かないで、1人でゲームやってるからだろ」
「そ……れは…」
だんだん葵が私に近付いてきて、私は近くにある棚に追い込まれる形になった。
ニヤリと笑う葵は、私が聞きたいって言った喧嘩の話を聞かなかったことを根に持ってる。
それしか考えられない。
それより顔が近いっ。
顔が近すぎて葵をまともに見れないし、葵の洗剤のいい匂いが鼻について離れない。
「さっきの話は、無理に聞けとは言わないから別にいいけど、無視はすんな」
「ん…ごめん」
「かなりキツい、つか寂しい」
そう言って、私にもっと近付いてくる葵にドキドキしてたことは、誰にも言えない。
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