GOLD BOY〜不良彼氏〜



でも、私が吸いたいって言ったら吸わせない理由も……気になる。


気になるんだけど、葵の煙草の出元の方がもっと気になった。



何も話してくれない葵は、煙草を吸い終わり、灰皿に煙草の火をもみ消した後

前触れもなく話し始めた。



「この前式で会った健吾ってやついただろ?」



ああ、健吾ね。と、すぐ頭に健吾の顔が浮かんだので、頷いた。



予想だけど


もしかしたら、私が聞きたかった煙草の出元の話かと思って期待したりもした。


でも葵の話し始めを聞いて、私の期待は裏切られたことに気づき


葵に聞こえないように小さくため息をついた。



「健吾の弟が俺らと同じ高校で、煙草はそいつに買ってきてもらってる」


「ふーん。―…って、はぁ?!」


「あ?」



ツッコミたいところがたくさんあって、どこから話していいのか分からない。



さっきまでは煙草の出元とは違う話をしてんのかと思ってたのに、実はその話だったし。


健吾の弟がいきなり出てきたことに驚いたけど、まさか煙草の話とは思ってなかったし。



なのに煙草の出元は、健吾の弟が買ってきてるって言ってるし。


でも健吾の弟ってことは、私と葵より年下だから未成年は当たり前で買えないはず。



なのに、この煙草を買わせてるらしい張本人は呑気に二本目の煙草を吸い始めた。




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