GOLD BOY〜不良彼氏〜
たぶん、私は葵が元不良じゃなかったら今さっきの発言を聞いた後すぐに顔面を殴っていたかもしれない。
だってムカつくんだもん。
彼女のこと卑怯者とか言うなんてありえないんだもん。
そんな事を私が考えてるなんて知るはずもない葵は、お腹が痛いのはもう治ったのか
起き上がりベッドの端に座ると、近くの棚の上にあった煙草をとって呑気に吸っていた。
息をフーッと吐くと白い煙が葵の口から出て、煙草の匂いが横にいる私にすぐ伝わった。
「ねえ、葵ってさ?」
「ん?」
私が声をかけると葵は怒ってても拗ねてても、必ず返答してくれる。
しかも今回は"ん?"と優しく返答してくれたから内心嬉しかった。
「煙草……どこで買ってんの?」
「美鈴も吸いたくなった?」
「ちっ、違うよ!」
「だよな。ま、美鈴が吸いたいっつっても吸わせねぇけど」
私が聞きたかったのは
今はタスポとかあって未成年じゃ煙草買えないはずなのに
毎日きらさず煙草を持ってる未成年の葵がどこで煙草を買ってるのか。
なのに葵はわざとらしく話題を逸らしてきた。
何か……怪しい。
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