私立桜恋学園~貴方は何科?~
入学~こんな学園、認めない!~

【優梨side】

~桜恋学園にて~


「あ、あった!あったよ、私の番号!」

私、市川優梨は掲示板に張り出された合格者一覧を指さす。
今日は、私立桜恋学園の合格発表の日。
受験が終わってもなかなか安心出来なかった私は、合格者一覧に自分の番号を見つけた事でやっと安堵の息をもらした。


「おめでとー!本当、優梨はすごいね!桜恋学園って言ったら超名門だよ~?そんな学校に合格しちゃうなんて!」

隣にいた、親友の麻里が弾んだ声で言う。
麻里は私とは別の高校を受けていて、ここに来る前に麻里が受けた高校の合格発表を見に行った。
麻里は無事合格していて、二人で喜び合った。
そして、向かった桜恋学園。
もし落ちていたら・・・という不安が何度も頭をよぎり、道中はほとんど無言だった。

その時の様子を思い出しながら、私は改めて合格した喜びを感じていた。
麻里と受けた高校は違うが、二人一緒に合格出来たので私は素直に嬉しかった。

「ありがと、麻里。二人とも合格出来て良かったね!
本当に安心した~!」

「うん、高校違うけど私は優梨の事応援してるよ~
頑張ってね!」

麻里が私の肩を笑顔で叩く。
幼稚園から一緒だった麻里と学校が離れるのは寂しいけれど、麻里は私を応援してくれている。
そんな麻里に応えられるように、私は頑張りたい。

「もちろん!頑張って勉強して、いい大学行って医者になる!麻里は・・・声優さんだっけ。私、麻里の声すっごく好き!ペ麻理も頑張ってね!」

「もっちろん!高校で特訓して、売れっ子声優になってやるの!色んなアニメに出て皆に見てもらうの!私がアニメに出たら優梨も見てよ?」

「当たり前じゃない、絶対見るから!」

お互い学校も違うし、目指すものも違う。
でも、何かに向かって努力するというのは同じ。
一生懸命頑張って夢を叶えたいというのも同じ。
だから、きっと離れても大丈夫。


「よーし、頑張ろうね麻理!でも、まずは・・・ご飯食べない?何か安心したらお腹空いちゃった・・・」

私はお腹を押さえながら、麻理に言う。
と同時に私のお腹が鳴った。

「~~っ!」

恥ずかしくて顔が真っ赤になった私を、ニヤニヤしながら麻里は見ている。
そして、私の手を握る。

「優梨のお腹が限界みたいだし、行こっ!
今日はお祝いだから食べまくるぞ~!」

そう言って、麻里は私の手を引いて歩き出した




プグ
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