王太子殿下の妃になりました
ガヤガヤと今日の朝は騒がしい。
王城の直属城下町、リーストは朝の買い物客で溢れていた。

リーフェイト国は近隣諸国では最も大きいとされる王国で直属城下町の他に街を囲むように五つの街に分かれている。

そこを収めているのは王から信頼が深い貴族の当主。

王からの勅命で、領地を収めているのが、好き勝手するものが多い。
そのため王の使者が時折査察を行う事がおおい。

ジュリアは直属城下町なのでそのような理不尽なことに巻き込まれていない。比較的穏やかな日常を楽しんでいた。

町の一角の花屋で勤めているジュリアは花の水やりをしていた。

「あの、すみません。ゆりの花束を一つ下さい」

爽やかな少年に声をかけられるとジュリアは振り向く。

「はい、ゆりの花束ですね。かしこまりました。少々お待ちください」

注文を受けたジュリアは花束を作りに奥へと向かい、花束を作った。
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