【短】初恋ラビリンス
祭り会場まで歩いていきながら陽を観察していた。
我ながら変態と思ったけど、そこには触れないでおこう...
陽は紺色の浴衣を着ている。
うん、かっこいい。
隣を歩くのが恥ずかしくなるくらいかっこいい。
私なんて引き立て役にもなれない。
それくらいかっこいい。
浴衣は通常の三割増しってのは本当なんだなって感じた。
「陽」
「ん、なんだ?」
「かっこいいね、陽は」
「あぁ、いつものことだろ?」
ニヤッと笑って陽は言った。
うん。いつも通り。
いや...
「いつもよりかっこいいよ」
本当にそう思った。
「...あぁ。
唯は.........なんでもない」
そっぽを向いてしまった陽。
「なーに?
何 言いたいのかな?陽くんは!」
「な・ん・で・も・な・い・で・す」
わざわざ強調までして言われた。
「なら いーよ別に」
私もそっぽを向いて歩く。
こういう子供っぽい自分が嫌い。
知らず知らずの内にため息をついていた。