バーフライズ・ストンプ
その腕に引き寄せられるように、わたしはセンセイの胸の中に顔を埋めた。

センセイがわたしの背中に両手を回すと、抱きしめた。

花のような甘い香りに、さっきまで揺れていたわたしの気持ちが落ち着いて行くのがわかった。

同時に、自分は何てひどい女なんだろうと思った。

つきあっていた彼よりも、センセイを優先するなんてひどいにも程があると思った。

「――センセイ、ごめんなさい…」

呟くように謝ったわたしに、
「紅葉は悪くないよ」

センセイが答えた。

「わたしは、ひどい女ですね…」

そう言ったわたしに、
「私の方が君よりもひどいよ。

君をこの世界に巻き込んだんだから…」

センセイが答えた。
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